肥満に関係する4つのホルモンについて

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肥満に関係するホルモン?

ええ。ここでは4つのホルモンについて紹介するわ。

グレリン・・・食欲のアクセルを踏みこむホルモン

グレリンは胃から分泌されるホルモンです。
主に空腹で体内のエネルギーが不足している時に分泌され、脳の視床下部にある食欲中枢を刺激することで食欲を増進する役割を果たします。
そのためグレリンの分泌に異常が起こると、食後であっても短時間で再び食欲を感じやすくなるなど、肥満やメタボリックシンドロームの発症リスクが高まると考えられています。

グレリンの食欲増進作用は実験的な研究でも確認されています。
ある研究では、2日間十分な睡眠を取った後に2日間、4時間睡眠に制限すると、血中のグレリンは28%増加し、血中レプチンには18%の低下がみられました。
その結果、被験者の空腹感や食欲が23%増加し、特に高糖質食に対する食欲が32%も増えたのです。

それではダイエットのためにグレリンの分泌を抑えるにはどうしたらよいのでしょうか?
その方法の1つは、十分な睡眠をとることです。
米スタンフォード大学が2004年に行った調査では、8時間寝た人に比べて5時間しか寝ていない人は、食欲を増進するホルモン「グレリン」の量が約15%多く、食欲を抑制するホルモン「レプチン」の量が約15%低いという実験結果が出ました。

また、グレリンは縄跳びのような強い運動を行うことでも分泌を抑えることが出来るという研究結果が報告されています。

レプチン・・・食欲にブレーキをかけるホルモン

レプチンは食欲を抑制するホルモンです。
主に食事の後に脂肪細胞から分泌され、脳の視床下部にある満腹中枢を刺激することで脳に満腹感のシグナルを送ります。
このレプチンは脂肪細胞が多い人、つまり体脂肪が多い人ほど多く分泌されます。しかし体脂肪が多い状態が慢性化すると、レプチン受容体の感受性が低下し、満腹感のシグナルが阻害されます。
結果、食べても食べても十分な満腹感が得られず、過食してさらに体脂肪が増えるという悪循環に陥ってしまうのです。

食欲を抑えたい場合、このレプチンの血中濃度を高い状態に保つことが重要です。
ダイエットのためにレプチンの分泌を増やすにはどうしたらよいのでしょうか?
一つはグレリンの項でも説明したように睡眠時間をしっかり取ることが重要です。

そしてもう一つ、食事にかける時間も重要になります。
その理由は、レプチンが多く分泌されるのが食事開始後20分が経過した後だからです。
つまり、20分よりも早く食べてしまうと、充分なレプチンが分泌されず、満腹を感じるまで時間がかかるため、食べ過ぎに繋がってしまうのです。
ダイエットにはゆっくりよく噛んで食べる方がよいと言われるのは、このレプチンの作用によるものなのです。

成長ホルモン・・・体の修復、維持に関与するホルモン

子供の成長に必要なホルモンとして知られる成長ホルモンですが、実は大人になってからも分泌され続け、大切な役目を果たしています。

その役割とは、体内の物質をエネルギーとして使えるような物質に変える「代謝」の働きで、全身のあらゆる器官・組織の発達や修復・再生・維持に関与しています。
よって成長ホルモンが出なくなると、以下のような代謝にかかわるさまざまな症状が現れます。
・ 体脂肪(とくに内臓脂肪)の増加
・筋肉の低下
・骨が弱くなる
・皮膚が乾燥し、薄くなる
・糖尿病になりやすくなる
・心筋梗塞や狭心症のリスクが上昇する

上記のように、肥満に関係するものとして『体脂肪(特に内臓脂肪)の増加』、『筋肉の低下』などの症状があります。
この成長ホルモンですが、睡眠不足でも分泌が減ってしまいます。
しっかり睡眠をとって成長ホルモンの分泌を促しましょう。

コルチゾール・・・ストレスを受けた時に太る人は注意

コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。
主な働きは、炭水化物・脂肪・およびタンパク代謝の制御、抗炎症および免疫抑制などで、生体にとって必要不可欠なホルモンです。

また、恐怖など強いストレスを受けたときに、脳からの刺激を受けて一時的に分泌量が増えることでも知られています。
このとき現れるのが「闘争・逃走反応」と呼ばれる身体的な生体反応で、戦闘や逃亡などの激しい身体活動を行う準備として、体内に蓄えられていた余分な糖を血流に乗せて全身の筋肉へと運びます。
これは元来、人間が外敵や飢餓など生命の危機に直面した時に、一時的に血圧や脈拍を上昇させて『非常事態』から脱出するために備わった機能です。
このように強いストレスを受けた時に多量に分泌されることから、コルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれています。

上記のように非常事態を脱出するのに役立ってきたコルチゾールですが、人間が受けるストレスも時代とともに変わってきています。
原始社会では外敵などから逃げるためにコルチゾールの分泌量を一時的に高めるだけで良かったのですが、現代社会では恒常的に強いストレスにさらされるため慢性的にコルチゾールのレベルが高くなってしまうことがあるのです。

そしてコルチゾールの濃度が慢性的に高くなると問題が生じます。
成長ホルモンの働きが阻害され、基礎代謝が低下し、脂肪が燃えにくい体質になってしまうのです。

さらに慢性的なストレス下においては、 コルチゾールによる「闘争・逃走反応」 で糖を全身に運んだとしてもそれが実際に消費されることはありません。するとその血糖を細胞内に押し込んで血糖値を下げるため、通常よりも大量のインスリンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げる働きだけでなく、余ったエネルギーを脂肪として溜め込む働きもあるため、食事で摂取したエネルギーが脂肪になりやすくなります。
これらの作用の結果生じるのが、いわゆる『ストレス太り』です。

実際、スコットランドで行われた無作為に選ばれた被験者を対象とした研究では、コルチゾール分泌量はBMIや胴回りと強い相関関係にあることが判明しています。

コルチゾールの分泌量を減らすには?

それでは、ストレスを軽減してコルチゾール分泌のバランスを整えるにはどうしたらよいのでしょうか?

これには有酸素運動が大変有効です。

有酸素運動によるコルチゾールへの作用を経時的に説明しましょう。
ランニングなどの有酸素運動を開始すると、血中のコルチゾール値は一時的に上昇します。
「コルチゾールを下げるために運動しているのに上がってしまうのか?」と思うかもしれませんが、これは自然な反応と言えます。なぜならば、運動による肉体への負荷は一種のストレスだからです。

しかし、運動が終わってしまえば体はもうストレスを必要としません。コルチゾールの分泌は減少し、やがて運動を始める前の水準まで下がるのですが、ここで科学者たちの研究によって以下の興味深い事実が判明しました。
①有酸素運動を習慣づけると、運動中のコルチゾールの分泌量は増えにくくなり、反対に運動後に下がる量は増えていく。
②定期的に運動を続けていれば、運動以外に起因するストレスを感じても、コルチゾールの値はわずかにしか上昇しなくなる。

という、コルチゾールの分泌量に与える運動の効果が分かったのです。

これらの事実は、運動がストレスに対して過剰に反応しないよう体を順応させていることを意味しています。つまり、有酸素運動によってストレスに対する抵抗力が高められるのです。

この分野で活躍する研究者も以下のように述べています。
スウェーデンのカロリンスカ研究所のアンダース・ハンセン氏は、定期的に運動を続ければ、ストレスを感じてもコルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなると述べています。
またフィンランドの調査では、「週に2回以上運動している人はストレスや不安とほぼ無縁」であり、ランニングやスイミングなどの有酸素運動を20分ほど、もしくは散歩に出かけるだけでもストレスを抑える効果は望めるということが分かっています。

なるほど

ホルモンによって僕たちの食欲や体質はある程度コントロールされているのか。

知らない事ばかりだったわ

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