NEATダイエットとは?

運動

今日はNEATダイエットについて話してみたいと思うわ

ビクッ!
二・・・ニートのダイエット!?

NEATダイエットとは

NEAT(ニート)とは「Non-Exercise Activity Thermogenesis;ノンエクササイズ アクティビティ サーモジェネシス」の頭文字をとった言葉で、運動以外の身体活動によって消費されるエネルギーのことを意味します。

つまり、ウォーキングや筋力トレーニングなどの典型的な運動ではなく、普段の生活で日常的に行う「立つ」「歩く」などの動作によって消費されるエネルギーのことです。
近年では、メタボ対策の一つとしてNEATを意識して増やすことで痩せやすい身体作りを目指そうという取り組みが注目されています。

ある研究結果によると、一般の人は運動よりもNEATで消費するエネルギー量のほうが多かったようです。

NEATはダイエットに効果的がある?

それでは実際にNEATを高めることはダイエットに効果があるのでしょうか?

NEATが少ないと、肥満のリスクが高まることが分かっています。
2005年のLevineらの研究では、肥満の人と細身の人を比較したときに、肥満者では座って過ごす時間が1日あたり平均約2.5時間も長いことが分かりました。

座っている時間はほとんどエネルギーを消費しませんから、肥満の人と細身の人では2.5時間分のNEATの差があったと考えることができます。
これは具体的いうとお茶碗2杯分(350kcal)のカロリーに相当し、肥満の人はその分のカロリーを毎日体内に蓄積していた計算になります。

つまりこのカロリーが毎日積み重なって大きな体型の差を作ったといえるのです。

毎日意識的に「立つ」「歩く」などのNEATの高い動作を増やし、「座る」「寝転ぶ」などのNEATの低い動作を減らすことでダイエット効果が期待できます。

「座ることがあなたを殺す(Sitting is killing You)」とは?

ここでは少しダイエットの話題から逸れますが、NEATの低い「長時間座りっぱなしでいる」という行為がいかに健康に悪いかという点について警鐘を鳴らした研究結果をご紹介します。

  • 座りすぎが肥満や糖尿病、高血圧、がんなどのリスクを高め、世界全体で年間200万人の死因になっている。(WHO)
  • 1日11時間以上座る習慣のある人は、4時間未満の人と比べ、死亡リスクが40%も上昇する。(シドニー大学)
  • 1日9時間以上座る習慣のある成人は、7時間未満の人と比べ、糖尿病のリスクが2.5倍も高くなる。(明治安田厚生事業団体力医学研究所)
  • 日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡率が15%増加する。(京都府立医科大学)
  • 1日8時間以上座って過ごし、あまり体を動かすことがないと回答した人は、座っている時間が4時間未満で毎日10分以上の運動をしているという人に比べ、脳卒中の発症リスクが7倍に上る。(カナダ研究)
  • 約80万人を対象に実施した研究で、長時間座ることにより2型糖尿病や心臓病、がんなどの死亡リスクが上昇する。一方、座ったままの時間を減らすだけで、2型糖尿病の17%、心血管疾患の5%を予防できることが分かった。(英国クイーンズ大学)
  • 14年間の調査において、座っている時間が1日3時間未満の方では、6時間以上の方と比べて、女性で約27%、男性で約15%死亡率が低かった。(米国研究)
  • NEATによる歩行時間が1時間以上の方は30分未満の方に比べ、38%も脳卒中や心筋梗塞で亡くなる危険性が少ない。(日本研究)
  • 長時間の座位が記憶形成に関わる脳の領域を薄くし、認知能力を低下させる。(カリフォルニア大学)

このように「座りっぱなし」であることは肥満のリスクだけでなく死亡率まで上昇する要因となります。

特に欧米では長時間座りっぱなしでいることの健康リスクを周知するために「Sitting is killing You (座ることがあなたを殺す)」という少々ショッキングな言葉を用いて人々に警鐘を鳴らしています。

NEATダイエットのやり方は?

では、NEATダイエット実践するにはどうすればよいのでしょうか?
具体的な方法をご紹介します。

①日中できるだけ立って活動する

NEATを高めるに最も効果的な方法は、座って過ごす時間を減らし、立位・歩行活動の時間を増やすことです。
立っているときは座っているときよりもエネルギー消費が2割もアップすると言われています。この差が積もりに積もって先ほど述べたように体型の差につながっていくわけですね。

しかし、どんなに意識していてもデスクワーク中心の人はNEATの割合が低くなりがちです。
そこで海外ではデスクワークの人がオフィスで使用できるステップ器具を導入したり、電動で高さの調節ができ、立位でも仕事ができるデスクを使用するなどの取り組みが行われています。

長くても一時間に一回くらいは立ち上がって軽く体を動かすとよいでしょう。

②姿勢を正す

背中を丸めて悪い姿勢をすると楽だと感じる方もいると思いますが、それだけ体の筋肉が使われていないという証拠でもあります。

背筋を伸ばして良い姿勢を取るには、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)など様々な筋肉を使う必要がありますから、立っているときも座っているときも、背筋を正し、良い姿勢を保つことはNEATを増やすことにつながります。

デスクに向かうときなど座っている時は、あえて椅子の背もたれを使わずに姿勢を正すことを実践してみてはいかがでしょうか。

③こまめに歩く

こまめに歩くことはNEATを高める上でとても大切です。
ある研究では、通勤の手段を自動車から電車に切り替えるだけで12~18ヵ月後に体重が平均約3.4Kg減少したという報告があります。

加えて通勤時にバスや電車の一駅分を歩くなどの習慣を身に着ければ、さらにNEATを高めることが可能です。

④階段を使う

あなたが通勤・通学、あるいは買い物などに行く途中には階段がたくさんあると思いますが、これが格好のトレーニング環境となります。

駅や歩道橋ではエスカレーターではなく階段を、職場でも1~2階ならエレベーターではなく階段を使うようにしてみましょう。

また余裕があれば、より強い負荷をかけるため一段飛ばしで登るようにしてみましょう。
NEATを高めるだけでなく、代謝の大きい太ももの筋力を鍛えることにもつながります。

⑤家事をする

掃除・洗濯・料理などの家事はかなりの重労働で、全身の様々な筋肉を使いますから、NEATを高めるのにうってつけの行動だと言えます。

またNEATを高めるという目的で家事をしてみると、体を動かす良いきっかけになりますし、掃除をすることで家がきれいになれば家族にも喜ばれるはずです。

まさに一石二鳥のダイエット方法だと言えるでしょう。

⑥様々なNEATを高める方法

  • ごろ寝でテレビは見ない。
  • 電車中では空席があっても座らない。
  • 家事や歯磨きの際につま先立ちなどを行う。
  • ガーデニング・畑仕事をする。
  • 新聞・郵便物取り・ゴミ出しなど、何でも自分で動く
  • 買い物の時はカゴを持つ。
  • ペットと散歩する。

NEATダイエットなら忙しくて運動の時間を取れない人でもできそうだね。

そうね。
その気になれば、どんな環境にいてもダイエットは可能だわ。

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